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飛騨古川と新穂高温泉「佳留萱山荘」
<2005年11月19日・20日撮影>

お膳盛りと和ろうそく

 奥飛騨の冬の顔は厳しくもやさしい。11月19日の昼下がり、飛騨古川の街を歩いた。出格子に白壁土蔵、鯉が泳ぐ瀬戸川の風景はこれから迎える雪の季節に耐えようとしている。

 それにしても昼の食事のお膳盛りはきれいである。汁物からそば、天ぷら、きのこ、魚、サラダなど10品ほどがそれぞれ特徴ある器に乗せられての登場だ。器が大きく強調してあるところが奥飛騨らしい。完全予約制だが、この鮮やかさとボリューム感で一人800円台の料金と聞いて驚く。

 古川の造り酒屋では蒲酒造場(白真弓・やんちゃ酒)と渡辺酒造(蓬莱)が有名で、どちらの造り酒屋の酒も飲んでみた。

 奥飛騨の寄り合いでは独自な酒の飲み型をダンナ衆たちが守っているようだ。酒席はネクタイ姿の正装で出席する。まず、正座をして座長のあいさつに耳を傾け、さらに二番手がうたいを始めるから聞かねばならない。かなりの時間が経ちやっと乾杯に入るが、いざ飲むとなったらネクタイを外し、上着も脱ぎ捨て、トコトン飲む。現代人からすると窮屈な飲み型かも知れぬが、これは悪酔いせず料理を味わいながらおいしく酒が飲める最良の方法であるようだ。

 NHK朝の連続テレビ小説「さくら」の舞台の中心でさくらの下宿先のモデルとして登場した「三島和蝋燭店」へ入り、和ろうそくの手作業を見て、和ろうそくを買う。現代生活の中で和ろうそくの作業を見ることはほとんどないことだろう。毎年、1月15日に行われる「三寺まいり」の円光寺・真宗寺・本光寺には三島蝋燭店の高さ80cmもある手作り和ろうそくが灯されるという。


飛騨古川のお膳盛り

三島和蝋燭店

大露天風呂と雪見酒


佳留萱山荘

  19日の夕暮時、新穂高温泉は「水明館 佳留萱山荘」に着いた。さっそく浴衣に着替え、露天風呂に入る。浦田川の流れを背に、その広大な露天風呂は実に開放感が味わえる。ただ湯につかるだけではない、お盆に乗せた酒をおちょこで飲みながらである。さらに雪も舞い始めたものだからまさに雪見酒だ。混浴であるものだからいつのまにか見知らぬ女性群が近づいてきて「おいしそうですね、一杯下さい」となったりもする。釜風呂小屋の釜風呂も楽しい。本当の釜湯につかるのだが、温まり方がじわり、じわりと伝わってくるようだ。

 夕食は飛騨牛からイワナ焼き、朴葉味噌、サシミなどどれも品ある作りである。ごはんの味もいい。毎年、従業員一同が集まり米の食味会を開き、どこの米を仕入れるかを決めているそうだが、今のところ富山産コシヒカリが一番のようだ。それに奥飛騨は山奥だから海魚に乏しいと思ったら大間違いだ。富山の漁港とは近くて密接な関係にあり、昔からサバ街道も通る。だから奥飛騨人は相当に旨いサシミを食べている。

 翌20日、佳留萱山荘の部屋から眺める槍ケ岳(3180m)の雪景色に惹かれた。快晴である。朝食を終え新穂高ロープウェイに乗り込んだ。新穂高温泉駅(1117m)から第一ロープウェイの鍋平高原駅(1305m)、第2ロープウェイでしらかば平駅(1308m)〜西穂高口駅(2156m)まで登ったのだが、別世界を十分味わえる。西穂高口駅を降りるとそこは一面銀世界。

 雪はあまりにもサラサラしているかと思えば、結晶の光り輝く姿まで見れてしまう。展望台からは槍ケ岳がグンと近づいた感じで絶景なり。

 20日の昼食は高山市の国道41号へ出て、伝説のとうふ鉄板焼きと味噌鶏ちゃんを食べた。これぞ飛騨の郷土味である。


佳留萱山荘の大露天風呂


新穂高ロープウェイ


三等三角点


西穂高口駅の銀世界


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