それにしても境内の片隅に設営された煙突付の大釜の姿は映える。
一つの大釜では鉱泉で粥が炊かれている。
もう一つの大釜には甘酒が温められている。
エプロン姿のご婦人たちがそろり棒でかき混ぜていく。
柔らかに湯気がこぼれていく。
お盆に乗せられた茶碗が運ばれ、ご婦人から「どうぞ、お食べ下さい」と勧められた。
茶碗の粥は黄みがかっている。
そっと口に含むとやさしい塩加減が広がった。
1月15日の今日は冨士神社の「寒粥(かんがゆ)まつり」でもある。
「寒粥まつり」
毎年1月15日、湯屋温泉街(飛騨小坂)の冨士神社では「寒粥(かんがゆ)まつり」が行われる。村人は寒の間に日本一の炭酸泉で炊いた粥を食べ、無病息災を祈る。 |